本の覚書

本と語学のはなし

購入その二

 頭痛薬を切らしてしまったので買いに行く。昔から常備してはいるのだが、最近は使用頻度が高くなってきた。一度職場に入ると長時間拘束される。その間に、大概一度服用する。
 自作のブックカバーのために、少し質のよい紙も買う。並行して読んでいるものが多いので、原書の参考として使っている翻訳などは、みな紙のブックカバーに切り替えることにした。
 ずっと公務員系教員の募集を出している専門学校を見に行く。私に勤まるはずがないし、そもそも採用されることもないだろうから、応募はしないのだけど。


中国語の構文

中国語の構文

  • 作者:王亜新
  • 発売日: 2011/12/16
  • メディア: 単行本
 王亜新『中国語の構文』。本屋でじっくり立ち読みをして購入。中国語では語順に戸惑うことが多い。日本語の感覚で理解可能と判断するためか、神経質な説明は売り上げに響くためか、通常の文法書では立ち入ることを避けているようなのだが、この本はその点非常に詳細である。『完全マスター 中国語の文法』よりはるかに有益だ。
 例えば、西洋の文法の感覚で目的語と呼びたくなるものが、文頭に立つことがある。中国語では、位置によってそれを主語と呼ぶ。しかし通常は、意味が分かるのだからそれ以上詮索しない。なんなら「被」でも補って受け身として理解しなさい、という程度である。だが、私はこれは受け身ではなく(無論倒置という程のものでもなく)、前置することで対象を主題化するだけのことだろうと思ってきた。そうしたところが、この本ではきちんと「動作対象前置文」という章が設けられ、この構文での動詞の使い方やこの構文に属する四つの文型が、簡潔ながらきちんと説明されていた。
 この章の最後には「主語と主題」というコラムがあり、主語と主題を区別した方がよいという至極まっとうでありながら、普通の文法書では全く触れられていないことも書かれている。
 いずれ通読しなくてはならない本だ。