本の覚書

本と語学のはなし

日本語の歴史/山口明穂ほか

日本語の歴史

日本語の歴史

 上代のことが知りたかったので、後半はかなり飛ばし読み。幸い、元の持ち主がたくさん線を引き、書き込みをしてくれていたから、それを目印にした。
 大学の教科書として使うものであって、決して読みやすくない。サービス精神も皆無である。たとえば万葉仮名の例として、「十六自物(鹿じもの)」と書かれているが、解説は全くない。これでは何のことだか分からないだろう。前に書いたように、「四×四=十六」であるから、「十六」と書いて「しし」と読ませるのである。「色二山上復有山者(色に出でば)」も同様。山の上にもう一個山がのっかった文字といえば「出」であるという、これはほとんどクイズのような遊びである。
 きちんと読んでいないので、それほど知識が増したわけでもない。たまにパラパラと捲るための目安を付けておいたという程度。