本の覚書

本と語学のはなし

図書館から本屋へ


 図書館へ通うのに使っていたS川沿いの土手が、工事のため通行止めになる。迂回しても大して距離が増えるわけではないけど、これを機に時間割を変更することにした。
 午前中に新聞、歴史参考書、英文雑誌を読み、通信講座も終えてしまう。午後からの時間はたっぷり英仏文学原典講読と読書にあてる。これだけでは運動不足になるので本屋に通う。
 実は昨日すでに本屋に行ってみた。全然苦痛を感じることなく、広い店内を歩き回るので、無理に花をめでる風流を身につけようとしながら散歩するよりずっといい。出始めたばかりの手帳を見たり、ルベーグ積分の難しそうなテキストを試しに立ち読みしたりする方が、私の性には合っている。昔、履歴書の趣味の欄には書店めぐりと書いていたものだ。
 一番の目的の『数学入門辞典』(岩波書店)は置いてなかった。この1年半の成果といえば、英語と経済と数学である。当初数学は、経済学を学ぶのに最低限必要な知識だけ身につけるつもりでいたが、最近はそれとは切り離し、数学そのものを継続してゆっくり深く学んでいきたいと思うようになっている。私にとって数学は、先に何が待ち構えているのかよく分からない未知の森である。手引きとなる本が1冊欲しかったのだ。
 本屋通いにも危険はある。昨日も当分読まないような文庫本を何冊も買いたくなった。財布の紐はよほど固く締めておかなくてはいけない。