本の覚書

本と語学のはなし

ブラック・ショールズ


★石村貞夫・石村園子『増補版 金融・証券のためのブラック・ショールズ微分方程式』(東京図書)


 昨日はブラック・ショールズの導出過程は分からなくてもいいと書いたが、この本は高校数学の知識さえあればついて行けると好評のようだ。それどころか、まえがきを見ると「高校で微積分を選択されなかった方にも、ゆっくり読んでいただければ、読了後には知的な好奇心を十分満足していただけると確信いたしております」とまで書いてある。いくらなんでもそれは言いすぎだろうと思うのだが、著者の一人、石村園子さんには、統計学の本で大いにお世話になった。その言葉を信じてみたい。


 「21世紀は金融証券の時代」であると同時に、「数学を言語とする時代であり、統計解析の時代」であると言う。学生時代に数学を勉強しなかったのは、恐らく一生の不覚である(後悔はしてないけど)。今さら高度なことは理解できそうにない。せめて、高校数学を復習したり、石村園子さんの大学数学への橋渡しシリーズ(東京書籍から「すぐわかる」、共立出版から「やさしく学べる」シリーズを出している)を読んだりしながら、必死に置いて行かれまいとする努力はしておくべきだろうか。