本の覚書

本と語学のはなし

『「証券化」がよく分かる』 〔34〕


●井出保夫『「証券化」がよく分かる 日本を変える画期的な金融技術』(文春新書)
 証券化というのは、簡単にいえば、将来のキャッシュフローを裏付けとして有価証券を発行し、投資家から直接資金調達する仕組みのことである。
 証券化されたサブプライムローンが全世界にばらまかれ、世界経済危機の発端となったからといって、証券化という金融技術が廃れて行くわけではないだろう。基本をおさえておくのに手ごろな本。


 長期の住宅ローンは、アメリカでは固定金利、日本では変動金利が主流である。日本では銀行が金利変動リスクを借り手に転嫁しているのに対して、証券化が盛んなアメリカでは資本市場を通じて資本家に万遍なくリスクを負わせることができるからだという。一番なるほどと思った点。