本の覚書

本と語学のはなし

整理


 一晩かけて机の引出の中身を整理し、今年一年に予想される出費を計算し、確定申告に必要な書類の準備をし、税額の仮計算をしてみる。
 満期になった簡保の返戻金があるので心配していたが、一時所得は特別控除を差引いた後、その2分の1の額に課税されるようなので、どうやら所得税はかからない。給与から源泉徴収された分は還付されるだろう。来年度の住民税は均等割だけになりそうだ(住民税は前年の所得に対して課税される。リストラの人には厳しい制度である)。
 ただし、課税担当部署にいたことはないので、所得と課税所得の出し方が本当に正しいのかどうか自信がない。所得控除も適用していいのかよく分からないところがある。


 引出の整理をしながら、『体の贈り物』の一節を思い出す。

 Some of them tried to get rid of most of their stuff before they died so no one would have to deal with it.

 他人の手をわずらわせなくていいよう、死ぬ前になるべく持ち物を処分してしまう人もいるのだ。(「死の贈り物」129頁)


 エイズ患者の話である。
 今日は整頓しただけで、処分したわけではない。しかし、私はよく所有物をきれいさっぱり全部捨て去りたい衝動を感じる。大学を辞めようとしていた頃には、ほとんど病的な衝動でさえあった。決して今すぐ死ぬつもりなのではないが、死ぬ時には一切何も残して置きたくないのである。エコな思想ではないかもしれないが。