本の覚書

本と語学のはなし

別世界

 山の中で仕事をしている。
 さらに山奥へと踏み入った。別世界であった。真冬である。
 山に住む人が、あんな山の中には住めないと言う。


 これまで私は翻訳の勉強を何もしてこなかった。しかし、生業とするのに不安を感じてはいない。
 翻訳(邦訳に限らない)を参考に語学学習を続けてきたお陰で、体系的ではないにしろ、テクニックも勘所も十分心得ている、という自負があるからだろうか。
 自分ひとり生きて行く分くらいは何とかなるだろう。何とかならなくても、それでもまあ何とか生きては行けるだろう。父の面倒のことまでは、自信が持てない。