本の覚書

本と語学のはなし

『基本からわかる英語リーディング教本』


◎薬袋善郎『基本からわかる英語リーディング教本』(研究社)
 文法的に正しく外国語を読みたいと熱望した時期を一度でも通過したことのある人ならば、薬袋のFrame of Referenceの考え方は容易に受け容れられるだろう。今さら品詞分解などやっていられないとの批判もあるだろうが、文法を意識せずに正確に読み、「おやっ」と思ったところで的確に文法を確認できる、そもそも分かったつもりで読み流さずに「おやっ」と引っ掛かることができるためには、しっかり基本を学んでおく必要があるのであって、ただシャワーのように英語の音声を浴び、ペーパーバックを乱読しても、基本を押さえておかないことには実際には効率が悪いのである。


 次の①と②の「what」が区別できないならば(さらには、②の「is」が「are」だったらどうなのか)、一読の価値はある(§75参照)。
①What crops survived the long drought perished in the subsequent inudation.
②What crops survived the long drought is of great interest to biologist.


 英語で生計を立てようとするならば、まずやってはならないのは誤読である。複雑な構文や、一見難しくはないのに意味が取りにくい文章に出会ったら、補助的にF.o.R.の記号を用いてみるのも、なかなか有効だろう。
 実践の書『英文精読講義』と『英語リーディングの真実』(ともに研究社)も読んでおきたい。

基本からわかる英語リーディング教本

基本からわかる英語リーディング教本