本の覚書

本と語学のはなし

父帰る

 父が退院する。
 6月19日に倒れ、7月13日にリハビリ中心の病院に移り、3か月ぶりに家に戻ってきた(このところ毎週外泊はしていたが)。
 歩くのに不自由はしないが、左手に麻痺が残っているし、滑舌も完璧ではない。ボケていないようだとはいえ、だんだん子供のようになっていくのではないかと懸念される。いずれ徘徊老人になるかもしれない。
 これからどうやって日々を過ごしていくのだろう。無趣味な人間だから、食べる、テレビを見る、寝る、時々は医者に行く以外に、何もすることはなさそうだ。例えば絵を描こうなんて考えは、金輪際頭の隅にも宿らない。せいぜいそのたくらみは、いつか母の目を盗んで酒を啜ってやろうということくらいでしかないだろう。