本の覚書

本と語学のはなし

金融

 図書館で予約していた医学書を借りてくる。『ステッドマン医学大辞典』(メジカルビュー)や『標準外科学』(医学書院)や『カラー人体解剖学』(西村書店)などなど。
 借りる前から既に、心は医薬を去りかけていた。
 専門知識を仕入れるのに、時間がかかりすぎる。お金がかかりすぎる。最新の情報にキャッチアップし続けるにも、やはり労力と資金が必要だろう。私がかつて病院職員であったのは事実だが、医療事務などわずかにかじった程度で、バックグラウンドはないに等しいのだ。
 翻訳を志すのは、語学のプロでありたいと願うからだ。政治経済全般を押さえながら、金融のスペシャリストになるという道にこそ、英語を学ぶ醍醐味もあるのではないか。「Newsweek」を読もうという現在の努力も、その道に直結する。私にとっては専門知識も身に付きやすいだろうし、安上がりだ(下手をすれば、医学書1冊の値段で、経済書が10冊以上買える)。
 と、いろいろ理由をつけて医薬から逃れようとしていたのだが、借りた本を見て、あれこれ悩む必要はない、これは端的に無理だ、と思った。無理ではないかもしれないが(実際、面白そうではあるのだけど)、これを努力して学ぶなら、翻訳者などではなくて医師か薬剤師になるべきである。


 退職するという考えは変わっていない。キャンプの疲れもあるのだろうけど、職場では相変わらず不調で、はっきり辞めると宣言しない限りは何もできそうにない。