本の覚書

本と語学のはなし

よくわかるキリスト教の教派/徳善義和・今橋朗

 プロテスタントはその思想そのものに分裂を志向する傾向がある。世の中には様々な特徴を持った様々な教会が存在する。訪れる前には、およその性格を知っておいた方がよい。
 そういう書物としては八木谷涼子『なんでもわかるキリスト教大事典』(朝日文庫)が便利なのだが、残念ながら日本における教派の混沌とした状況までは把握することができない。同じルターの名前を掲げるルーテル系の教会だって、内実は千差万別なのだ。
 その足りないところを補ってくれるのが、この本だ。甚だ簡単ではあるけど、ある程度自分に合った教会の目星を付けることができるだろう。

 私の地域の教会の中では、組合派の流れを汲む日本基督教団の教会に興味を持っているが、もう実際に訪れるためのパワーを持ち合わせていないように思う。
 書物の上でだけおおよそのところを学んだ後は、「教会に通わない悪しきカトリック」へと帰着し、その上にまどろんで終わるのだろう。