本の覚書

本と語学のはなし

宇宙は数式でできている/須藤靖

 これまで観測されてきた宇宙が数式で表現される物理法則によって説明可能であるだけでなく、その数式から導かれる信じがたいような予言(たとえばブラックホールだとか、重力波だとか)もまた、現実であることが確認されてきている。
 非常に不思議なことではあるが、数式は単に近似的な説明の道具なのではなくて、宇宙が元来数式で出来ていると考えるべきだというのが著者の信念である(大抵の物理学者は、程度や質の違いはあっても、そう考えているのではないだろうか)。
 この本は数学も物理も知らなくても読めるが、これまであまりに科学の方面に無関心であったのが悔やまれる。