本の覚書

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購入7-8

New Routledge Dutch Dictionary: Dutch-English and English-Dutch

New Routledge Dutch Dictionary: Dutch-English and English-Dutch

 N.Osselton and R.Hempelman『The New Routledge Dutch Dictionary』。蘭和辞典は一冊のみ講談社から出版されている。しかし高価すぎるので、英語の辞書を購入。蘭英と英蘭を兼ねた辞書である。『ニューエクスプレス オランダ語』でも推薦されているが、言語的に非常に近しい英語圏においてもオランダ語はマイナーであるらしく、それほど高い水準の辞書のようには見えない。近いからこそ簡素に作って支障がないのかもしれないが。

 オランダ語を少し学んでみての感想。英語を知っている人には、ドイツ語を学ぶのと同程度かそれよりちょっと簡単と感じられるレベル。英語とドイツ語を知っている人には、イタリア語とスペイン語を知っている人がポルトガル語を学ぶのと同程度かそれよりちょっと難しいと感じられるレベル。文法はドイツ語よりずっと簡略化の方向に向かっているようだ。

 西周蘭学からスタートし、幕府の倒される以前にオランダに留学までしている。日本の蘭学のレベルもそこそこ高かったのだろう。だが、彼も後にはドイツ語、英語、フランス語にシフトした(徳川慶喜にフランス語を教えていたこともある)。既にその頃から日本のオランダ離れは不可逆的に進行してしまっていたのだ。