本の覚書

本と語学のはなし

良寛の逸話/谷川敏朗

良寛の逸話

良寛の逸話

 幼少年期、仏道修行期、帰郷各地住庵期、五合庵定住期、乙子神社期、木村家庵室期といった時代区分ごとに良寛の逸話が集められており、おおまかな生涯を知るにはよい入門書となっている。
 ただ、あくまで逸話なので、誇張、創作、混入などもあって、すべてが事実そのままとは認めがたい。どう読み解くべきかについては、ところどころ著者のコメントが付されているけど、詩歌や手紙、遺墨など、良寛自身の残したものから逸話を照射し直すのが第一だろう。