本の覚書

本と語学のはなし

御岳精進

 明け方も近うになりにけり。鶏の声などは聞こえで、御岳精進(みたけそうじ)にやあらん、ただ翁びたる声に額づくぞ聞こゆる。起居のけはひたへがたげに行ふ、いとあはれに、朝(あした)の露にことならぬ世を、何をむさぼる身の祈りにかと聞きたまふ。南無到来導師とぞ拝むなる。「かれ聞きたまへ。この世とのみは思はざりけり」とあはれがりたまひて、
  優婆塞が行ふ道をしるべにて来む世も深き契りたがふな
長生殿の古き例(ためし)はゆゆしくて、翼(はね)をかはさむとはひきかへて、弥勒の世をかねたまふ。行く先の御頼めいとこちたし。
  前(さき)の世の契り知らるる身のうさに行く末かねて頼みがたさよ
かやうの筋なども、さるは、心もとなかめり。(夕顔10)


 御岳精進は吉野の金峰山(御岳)に参篭する前、千日間の精進潔斎をすること。当時流行していたらしい。源氏のコメント、紫式部のコメントがそれぞれ面白い。


 『デイジー・ミラー』は初期に書かれた作品で、その英語はどうやら最後まで易しいようだ。易しい上に短いから、多分すぐに読み終る。しかし、これは跳躍のための助走だ。次に読む『ねじの回転』は後期の作品で、それなりに難しいらしい。


 9日に見に行った会社には応募しないことにした。経理の専門家が欲しいようだから、私が採用される可能性は低い。生活の質にも恐らく満足できないだろう。この期に及んで選り好みをしていてはいけないかもしれないが。
 今日はある施設に行ったのだが、道を一本間違えてしまった。明日もう一度見に行く。ここなら経験を活かせそうだ。募集人数は2名。私のような人間も、2番手としてなら選ばれる可能性は十分ある。
 就職が決まったらフランス文学、イギリス・アメリカ文学、日本古典文学に集中する。昼休みに何か読めるとしたら、タイムを取るべし。


 塾は来週から中学1年生の英語が追加。ちょっと気分の波が激しいようで大変そう。