本の覚書

本と語学のはなし

ロング・グッドバイ

 He pocketed his file in his shirt and something else took its place in his right hand. A brief motion and he had a fist with shining brass knuckles on it. The skin over his cheekbones was tighter and there was a flame deep in his large smoky eyes. (p.141)

 彼は爪ヤスリをシャツのポケットにしまった。右手にはかわりにべつのものがあった。機敏な動作で彼はきらきら光るブラス・ナックルを拳にはめた。頬骨の上の筋肉がひきしまり、大きなくすんだ色合いの瞳の奥には炎のようなものがうかがえた。(『ロング・グッドバイ』p.167-168)


 「機敏な動作で彼はきらきら光るブラス・ナックルを拳にはめた。」これでは少し遅すぎる気もする。村上の文体は作品世界にうってつけではないかと期待していたが、特に可もなく不可もなく、時々ほおと軽く感心したり、小首を傾げたくなったりする程度。どれほど影響を受けていようとも、本質的に違う作家なのかもしれない。どちらもほとんど読んだことはないので、そんな気がするだけだが。
 ようやく軌道に乗り始めた。まだ3分の1も読んでいないが、残りはなんとか5月中に終わらせたい。


 今でも毎日ハローワークの求人情報をホームページでチェックしている。
 中学の英語、国語、社会、数学。高校の英語。それらを教えるからといって、塾講師としては何の変哲もないありふれた能力にすぎないが、それらを全てていねいに教えることができれば、仕事にあぶれることはないかもしれない。
 しかし、アルバイトとしてやっている限りは、どう頑張ってみても生活できるレベルの収入は得られそうにない。