本の覚書

本と語学のはなし

源氏物語1

鶏もしばしば鳴くに、心あわたたしくて、
 つれなきを恨みもはてぬしののめにとりあへぬまでおどろかすらむ
女、身のありさまを思ふに、いとつきなくまばゆき心地して、めでたき御もてなしも何ともおぼえず、常はいとすくすくしく心づきなしと思ひあなづる伊予の方のみ思ひやられて、夢にや見ゆらむとそら恐ろしくつつまし。
 身のうさを嘆くにあかで明くる夜はとりかさねてぞ音もなかれける(帚木15)


 空蝉と迎えた朝である。


 塾では、クラス授業を最大限に引き受けてくれる、救世主のようなパート講師が見つかったらしい。経験者なのか、うまく言いくるめられたのかは知らないが、私にとってはありがたい。私の新年度のクラス授業は土曜日だけの予定だ。5コマ中4コマが国語というのは大変だが、2年目に入ったことだし、マニュアルに縛られずにやってみようかと思っている。
 残りの曜日は個別授業の予定。まだどの学年のどの科目を受け持つかは決まっていない。中学の英語、国語、数学、高校の英語ならいつでも引き受ける覚悟でいよう。


 久し振りに学校に寄り、借りていた教科書の一部を返却し、新年度に向けた職員対象の対策授業の日程を確認する。職員が増えた。講師経験者である。しかし、理系の人なので私の代わりに授業をするわけではないらしい。