本の覚書

本と語学のはなし

枕草子「雲」と合格通知

 雲は 白き。紫。黒きもをかし。風吹くをりの雨雲。
 明けはなるるほどの黒き雲の、やうやう消えて、しろうなり行くも、いとをかし。「あしたにさる色」とかや、ふみにも作りたなる。
 月のいと明かきおもてに薄き雲、あはれなり。(237 雲は

 雲は 白いの。紫。黒い雲もおもしろい。風が吹く折の雨雲もいい。
 夜が明けはなれるころの、黒い雲がようやく消えて、あたりが白んでゆく風情も、とてもおもしろい。「朝に去る色」とか、漢詩にも作ってあるようだ。
 月のとても明るい面に、薄い雲というのもしみじみとした趣がある。


 昨年末に試験と面接を受けた塾*1から、合格通知の電話が来た。ついつい、小学館の全集の『源氏物語(一)』と『万葉集(一)』、文英堂のCDつき『百人一首』を注文する。どれほど貧困に苦しもうとも手に入れたかったのは、読みたい本を不自由なく読む生活であったはずだ。読むべき本は少し無理をしても買わなくてはならない、と。
 しかし、働き始めるのは3月。時給も仕事量も未定だから、どれだけ稼げるか分からない。これからいろいろお金のかかる時期が来る。もう少し我慢した方がよかったかもしれない。


 もう1つの塾からは、どういう理由か分からないが、音沙汰がない。今年に入って前回と全く同じ内容の求人を出していた。1人合格しているはずなのに、募集人員も従業員数も変化なし。いろんな可能性が考えられるけど、どれをとってみたところでこの塾のために有利にははたらかないだろう。
 もうここで働く気はないが、別の市に新規オープンする教室の住所にある疑念を持っているので、しばらくホームページをウォッチしてみる。