本の覚書

本と語学のはなし

枕草子「蹴鞠」


 年が明けてから、まだエンジンがかからずにいる。駅伝やら、大学ラグビーやらをだらだら見ていたのがいけなかったろうか。
 スポーツには年々関心がなくなっていくけど、にわかにラグビーに興味がわいて、高校サッカーの代わりに高校ラグビーが放送されていれば全部見たいくらいの気分になっている。

 遊びわざは 小弓。碁。さまあしけれど、鞠もをかし。(202 遊びわざは

 遊戯は 小弓。碁。かっこうは悪いけれども、鞠もおもしろい。


 注釈を見ると、『源氏物語』若菜上にも「をさをささまよく静かならぬ乱れ事なめれど」と同じような評語が見えるという(「ぬ」は「静かなり」だけではなく、その前の「さまよし」も否定しているようだ)。我々は蹴鞠と聞けば貴族の優雅な遊びだと想像するが、当時としては、面白いことは面白いけれど、決して見てくれのよい上品な遊びではなかったらしい。