本の覚書

本と語学のはなし

『はじめての統計学』 〔48〕


●鳥居泰彦『はじめての統計学』(日本経済新聞出版社
 統計を根本的に理解するにはレベルの高い数学が必要である。大半の人にとって数理的理解が及ぶのは半ばまでで、仕方ないから統計は道具と割り切って使っているというのが実情かもしれない。考えてみれば、高校数学を学べば簡単な積分の計算くらいはできるようになるが、積分とはそもそも何ぞやと聞かれて答えられる人はあまりいないだろう。それでも一応分かった積りにはなれるのである。
 この本も、先ずは計算する腕力を身に付けることが大事だということで、徹底的に電卓を使わせる。おかげで関数電卓がかなり使えるようになってきた。結局のところ統計とは何であるかよく分からないのだけど、初歩的な処理はできるようになる。
 一昨日届いた『入門確率過程』を見ると、もう一つ上のレベルに行くには大きな溝を飛び越えなくてはならないようだ。そこを超えればファイナンス理論の基礎にも手が届く。さて、行けるのだろうか、行く必要があるのだろうか。

はじめての統計学

はじめての統計学