本の覚書

本と語学のはなし

ディプロマティク


☆『ボキャビル』『キーワード』
☆「イングリッシュ・プラス」
☆「ヴェリタス」「民数」
☆「ニューズウィーク」「ル・モンド
☆『月と六ペンス』『異邦人』
☆『金融の基本教科書』『世界史1』
☆「On The Media」「France2」


 図書館は大テーブルも個人用学習机も混んでいる。人のことは言えないけれど、ゴールデン・ウィークだというのに、何で図書館なんかに来ているのだろう。昨日と同様、アメリカ人青年の姿もある。あんまり暑いので涼んでいるのだろうか。
 幸い1つだけ個人机が空いていた。利用証を受取りに窓口に行くと、図書館の資料を使うんですねと念を押される。一応手には棚から持ち出した辞書を2冊携えてはいるが、控えめに「はい」と答えておく。利用者の9割方は図書館資料を閲覧していないようだが、それで注意されたところを見たことはない。


 図書館を利用しようと考えた最初の動機は、「日経新聞」を読むことだった。しかし、当日の新聞はたいてい誰かが読んでいる。いつしか英語とフランス語だけ勉強して帰ることが多くなった。そこで、今日から前日分を読むことにする。金融の実務をしているわけではないし、デイ・トレーダーとして日々戦っているわけでもない。それで十分だ。
 図書館通いをやめたら自分で「日経新聞」を取る。「ヴェリタス」は、必要ないとはっきり断言できない限りは、このまましばらく継続する。「ウィークリー」はやめると思う。そこまでの余力はない。


 「ル・モンド・ディプロマティク」が届いたので、図書館で開いてみる。福田和也は、あれこれと新聞雑誌をたくさん購読していた中で、欧文のものは「ヘラルド・トリビューン」と「ル・モンド・ディプロマティク」の2誌に絞ったと言っていたように記憶する。
 開いては見たものの全然読む気になれなくて、私は「ル・モンド・セレクション・エブドマデール」でいいやと観念する。年間購読料は倍以上するのだけど…。


 となると、こういうことになる。
 定期購読するのは「日経新聞」「ヴェリタス」「ニューズウィーク」「週刊ル・モンド」。
 さらに日課として、英語とフランス語の原書(主として文学)を読む。
 英語とフランス語はマスターを目指しているのだから、当然このくらいのことはしなくてはいけないし、これだけでは未だ足りない。
 しかし、その上、単なる趣味として、あるいは、忘れないためだけに、ドイツ語やギリシア語やラテン語の原典講読をする必要が、と言うより、余裕があるのだろうか。いざと言う時に原文に当たれる、というだけで満足しておくべきではないだろうか(そんな時はまずないと思うが)。それくらいの力なら今の時点でも十分にある。
 仕事をしていた頃、どうして不可能なことをあえて続けていたのだろうかと不思議になる。どれもこれも中途半端であったとしても、一向に困らなかったからに違いない。


 舌の根も乾かない内に言うのもはばかられるが、ドイツ語だけなら何とかなるのではないか。少なくとも、まだ次の仕事を開始していない今の内から諦めてしまうのはもったいない。ドイツ文学専修に在籍していた頃は、英語よりドイツ語の方が読みやすいと思っていたくらいなのだから、ベンヤミンみたいなのを選択しなければよいのである。