本の覚書

本と語学のはなし

退職希望

 3連休も病院通いと尋常でない熱波のためにゆっくり休めなかった。「ちょっと待ってくれ」と言いたくなりながら出勤。先週の金曜日よりはましだが、相変わらず不調だ。明日こそは何とかしたい。
 本格的に退職のことを考え始めた。「いつか」の話ではなく、今年度末のこととして。
 人事課発の通知によれば、定年以外で退職を希望する者は、なるべく8月中に所属長に申し出なさいということである。もちろんそれ以降に辞めると言ったってかまわない訳だが、人事としては新規採用試験の時期を過ぎてから計算外の退職は避けたいところだろうから、余計な摩擦を避けるためには今月中に意思を表明しておきたい。そんなに焦る必要はないか?
 辞めて何をするのか。
 産業翻訳の勉強をしようと思う。これまでも、しばしば退職を考えた。出家、留学、翻訳、文筆等々、空想めいたものも含めて、しばしば退職後の可能性を考えた。現実味があるのは、産業翻訳くらいだ。現在の蓄えと退職金を合わせて、2、3年の猶予はある。まあ、何とかなるだろう。
 何とかならなくても、それはそれでいいと思う。


 今の会社のおかげで、私は社会とのつながりを辛うじて保つことができた。
 残業が少ない部署にばかり配属されたおかげで、けっこう自由な時間を持つことができた。読書も語学も半分は諦めていたのだ。
 だが、この職場から受け取るべきものの多くは既に受け取ってしまった。これ以上とどまっても、組織の中でゆっくりと首を絞められていくだけだろう。
 次のステップを踏み出すべきときである。必ずしも見事な跳躍をしようと思っているわけではない。転んでしまってもよい。踏み出すべきときに踏み出すこと、そのためにこそ私は身軽でいるのではないか。


 2番目の大学を辞めるときも、前の会社を辞めるときも、親には一切相談しなかった。決意の表明もしなかった。事後報告である。
 今回は、事前には説明しておこう。しかし、相談するつもりはない。