本の覚書

本と語学のはなし

夢野久作ドグラ・マグラ』上・下(角川文庫)
井伏鱒二『黒い雨』(新潮文庫
武者小路実篤『友情』(新潮文庫
坂口安吾堕落論』(新潮文庫
遠藤周作『沈黙』(新潮文庫
笙野頼子笙野頼子三冠小説集』(河出文庫
村上春樹レキシントンの幽霊』(文春文庫)
絲山秋子『海の仙人』(新潮文庫
長嶋有『猛スピードで母は』(文春文庫)
島本理生『シルエット』(講談社文庫)
サン=テグジュペリ『ちいさな王子』(野崎歓訳,光文社古典新訳文庫)


 買いすぎてしまった。
 病院に母を迎えに行き、帰りにスーパーに寄る。私は本屋に向かう。そうすると、新潮文庫の100冊なんていうフェアをやっていて、初めて踊らされたりすることになる。
 そろそろ現代文学を漁るのはやめようかな、と早くも撤退宣言したくなってきた。私にとっては、哲学を読むことの方が肝心であるわけだし。
 しかし、100冊フェア2冊でブックカバーが貰える。今日購入したのは3冊。もう1冊買えば、ブックカバーが2枚になる。新潮文庫や文春文庫のようにじゃっかん背の高い文庫に合うカバーを1枚しか持っていないので、ぜひ欲しい。フェア本をもう1冊買ってこよう、懐かしいところで島崎藤村の『破戒』かな、ってまた踊らされている。


 野崎歓訳の『ちいさな王子』というのは『星の王子さま』のことである。新訳の中では遅出しであるけれど、企画の段階では翻訳ラッシュになるとは思わなかったらしい。ブームに乗っかったのでないとすれば、内藤訳に対する野崎の不満がこの本を指名させたのだと思われる(一応「名訳」と持ち上げてはいるが)。
 ちなみに、例の「飼いならす」は、野崎訳では「なつかせる」となっている。


 武者小路実篤の『友情』は中学時代に読んだのが、全く記憶に残っていない。島本の『リトル・バイ・リトル』の解説(原田宗典)で、話すように書く小説家の祖として武者小路の名前が挙がっていた。そういえば、高橋源一郎の『小説教室』にも登場していた。ということで、何の印象も残さなかった『友情』をもう一度。よかったら、『真理先生』なんかも買ってみよう。
 『笙野頼子三冠小説集』とはまた下品なタイトルだ。ここでいう三冠とは、野間文芸新人賞三島由紀夫賞芥川賞のこと。『森娘』も持っているのだが、ちょっと厚いのでこちらから。
 絲山秋子の解説を見ると、福田和也が「われわれは、偉大な作家の登場にたちあっている」と語っている。楽しみだ。
 島本理生はさっそく次の作品(書かれたのは先だが)を買った。結局、島本、綿矢、金原はしばらく読んでみることにする。文学書は基本的に文庫本でしか買わないので、次回からは図書館で借りることになるだろう。


 病室で甥に会った。
 初めての見舞いだ。ちょっとショックを受けていたようだ。
 父からは手紙の催促を受けていた。