- 作者:W.マルクスセン
- メディア: -
- 作者:桑田 秀延
- メディア: -
これは教会の権威の問題と関連するが、我々にはローマ・カトリック教会の如くに教会の権威を考えることはできない。そこでは、所謂「使徒伝承」(Apostolic Succession) の主張よりして、又ローマ教会独特な意味の受肉の教義よりして、教会をキリストの再受肉と解し、教会に於ける神的方面と人間的方面との混同が行われている。かくしてキリストにまでそして彼にのみ帰すべき権威が、教会の人間的方面にも帰せられ、又受肉の名の下に神的なものの物質化が認められ主張される。我々は、こうした事実を、教皇の無謬説に、又教職制度と礼典の見解(殊に所謂化体的な聖餐観)に、そして更にマリヤと諸聖徒への礼拝的な行為に見出すことができる。(p.370-371)
原文は旧仮名遣い、旧漢字であるが、読みやすいように直しておいた。