本の覚書

本と語学のはなし

わかりやすいミサと聖体の本/白浜満

わかりやすいミサと聖体の本

わかりやすいミサと聖体の本

  • 作者:白浜 満
  • 発売日: 2007/12/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 カトリックの信仰生活にとってミサはその根幹であり、ミサに与らないカトリックなんていうのはほとんど形容矛盾である。しかし、案外ミサをつまらないと思う信者もいるようだ。
 この本では二つの観点からミサを説明している。第一に、「新しい契約を祝う過ぎ越しの食事」としての理解。

 イエスは、これまでにみたおもに四つの方法で、わたしたちとともにいて恵みを与えてくださいます。すなわちイエスは、①信者の集いの中に来られ、②そこで読まれる聖書のことばによってわたしたちに語り、契約を新たにしてくださいます。③また叙階の秘跡を受けた司教・司祭の奉仕を通して、聖霊の働きによってパンとぶどう酒を聖別して、ご自分の命に変え、父である神に捧げてくださいます。④そして聖体拝領によって、イエスは死者の中から復活されたご自分の永遠の命に、わたしたちをあずからせてくださるのです。(p.67)

 第二に、ミサの中で「イエスの生涯に触れる恵みが与えられる」という理解。

 このように、わたしたちはイエスの生涯にそった出会いの場として、ミサの流れをみることができます。まとめてみると、①イエスを迎えて心を整えたあと(開祭)、②イエスの宣教に触れて深い信仰へと導かれ(ことばの典礼)、③イエスの最後の晩さん・十字架上での死・復活という新しい過ぎ越しにあずかり(感謝の典礼)、④昇天のときイエスがお与えになった祝福を受けて、それぞれの生活の場に派遣される(閉祭)という理解です。(p.79)

 著者はサン・スルピス会の人。会の名前の由来はパリにあるサン・シュルピス教会だというが、この教会は『ダ・ヴィンチ・コード』で話題になったローズライン(パリの子午線)が通っていることでも有名。現在の日本カトリック神学院福岡キャンパスは、2009年まで福岡サン・スルピス大神学院と言ったが、今私が読んでいる『ラテン文法』は、そこの教授たちが作成したものである(原著はカナダで編纂されたフランス語版であるが)。