本の覚書

本と語学のはなし

購入6-2

聖書ヘブライ語

聖書ヘブライ語

  • 発売日: 2009/05/11
  • メディア: 単行本
 谷川政美監修『聖書ヘブライ語』。とうとう手を出してしまった。学生時代、カトリックに入信した頃は、いつかヘブライ語を勉強してみようと思っていたが、程なく教会から離れ、そんな野望も消え失せてしまった。今、信仰が戻ってきたわけではない。もともと受洗の時ですら信者であったとは言い難い。私を捉えていたのは、情緒と偽装された禅的世界観でしかなかった。禅は既に私を離れて行った。ただ情緒ばかりは、時々揺り戻しをかけてくるのである。
 もしこの本一冊でヘブライ語文法が一通り尽くされているのだとすれば、ぱっと見たところ、ギリシア語を習得するより難しそうには思えない。だが、ギリシア語に夢中になった頃とは頭の柔軟さが違うのだし、セム語はこれまで一度も触れたことのない系統の言語なのだし、そもそも古典を学ぶということをそう甘く見てはいけない。泥沼に嵌りそうであれば、潔く途中でやめてしまうことも必要だろう。最低限ヘブライ文字が読めるようにだけはしたい。

 旧版ではアラム語も扱っていた。旧約聖書の一部はアラム語で書かれている。*1エスが話していたのもアラム語だとされている。改訂で削除されたのは惜しい。


Jps Hebrew-English Tanakh Bible

Jps Hebrew-English Tanakh Bible

  • 発売日: 2003/08/01
  • メディア: ペーパーバック
 『JPS Hebrew-English Tanakh Bible』。旧約聖書のテキストはBHS(Biblia Hebraica Stuttgartensia)を買うべきなのかもしれないが、ユダヤ教徒向けのにしてみた。決め手はもちろん英訳付きであること。ただちょっと文字が小さくて、母音記号が見にくい。元来ヘブライ文字には子音しかないので、母音は便宜的に記号として子音の周辺に小さく書き入れられるのである。学習が進むようであれば、いずれBHSも購入しよう。
 なお、ヘブライ語は文字を右から左に読んでいくので、本の開き方が縦書きの日本語と一緒である。不思議な感覚。

*1:アラム語で書かれている部分は、エズラ記4:8-6:18、7:12-26、ダニエル書2:4b-7:28、エレミヤ書10:11だそうだ。