本の覚書

本と語学のはなし

筋トレ 動き方・効かせ方パーフェクト事典/石井直方監修・荒川裕志著

筋トレ 動き方・効かせ方パーフェクト事典

筋トレ 動き方・効かせ方パーフェクト事典

  • 作者:荒川 裕志
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2019/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 『世界一使える筋トレ完全ガイド』は部位ごとにオールジャンルの筋トレ種目をまとめたカタログであったが、こちらはジャンルごとに主要な筋トレ種目とその多彩なバリエーションを集めたカタログである。
 ある部位を鍛えるのにどの種目を選択するかということは大切だが、それをどのようなフォームで行うかということも同様に重要なことである。たとえば上腕二頭筋を狙った代表的な種目にダンベルカールがあるが、インクラインベンチに座って十分筋肉をストレッチさせれば効果も大きくなるし、肘を固定してプリーチャーカールにすれば上腕筋や腕橈骨筋の方がメインになる。
 筋トレは筋肉の収縮と伸張を繰り返すものであるが、ある種目がどの範囲で筋肉を動かすものであり、その稼働域の中のどの範囲で負荷かがかかるものであり(あるいは、どこで負荷が抜けるものであり)、どの地点で最大負荷がかかるものであるか、ということが示されているのも、大いに参考になる。たとえばサイドレイズはスタートポジションのボトムで負荷が抜ける。ベンチに寝て行えばトップで負荷が抜ける。インクラインベンチなら全域で負荷がかかる。優劣を決めるというよりは、それぞれの特性を理解しながら、可能ならば時々入れ替えて行うことが大切なのだろう。
 持っていて損はない本だ。

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モーパッサンは書いたものを全てフローベールに提出した【英語】

The Summing Up (Vintage Classics)

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  • 作者:W. Somerset Maugham
  • 出版社/メーカー: Vintage Classics
  • 発売日: 2001/05/30
  • メディア: ペーパーバック
サミング・アップ (岩波文庫)

サミング・アップ (岩波文庫)

I have always heard that Guy de Maupassant submitted whatever he wrote to Flaubert and it was not till he had been writing for some years that Flaubert allowed him to publish his first story. As all the world knows it was that little masterpiece called Boule de Suif. But this is an exceptional case. Maupassant had a post in a government office that provided him both with a living and with sufficient leisure to write. There are few people who would have the patience to wait so long before trying their luck with the public and fewer still who can have had the good fortune to find so conscientious and great a writer as Flaubert to direct them. (p.165-166)

常々聞いていたのだが、ギー・ド・モーパッサンは書いたものを全てフローベールに提出したそうで、フローベールがようやく処女作の出版を許可したのは何年も書いた後だという。その本が『脂肪の塊』という傑作であるのは誰しも知るところだ。しかしこれは例外である。モーパッサンは政府機関で働いていて、生活費は得られたし、執筆の余裕もあった。作品を世に問うのにそれほど長く待つ忍耐心を持つ人は稀だろうし、それに、フローベールのような良心的で偉大な作家を師に持つ幸運に恵まれる人はもっと少ない。(p.200-201)

 最近文学的なもの、芸術的なものにまた傾き始めている。
 数年ぶりにバッハを聴いている。何故か知らないが、私は楽器の音色の中でチェンバロが一番好きなのだ。
 年頭の目標を書いたばかりであるにもかかわらず、フランス語は時事的なものを放棄して、文学だけに専念しようと考えている。スタンダールの次はジッドにしようか、フローベールにしようか、はたまたラクロにしようかと悩む。
 英語はタイムの通読にまた挑戦するつもりであるが、やはり文学の言葉遣いにも触れなくてはつまらない。『サミング・アップ』は自伝的な本で、そんなにわくわくするようなものではない。味わいながらも、できるだけ早く終わらせたい。

語学始め【ヘブライ語・ギリシア語・ラテン語・ドイツ語・フランス語・英語】

 今年初めて聖書と英仏文学を読んだ。その最初の部分をただ記録するだけの記事。


 創世記23章9節。

Biblia Hebraica Stuttgartensia

Biblia Hebraica Stuttgartensia

  • 作者:K. Elliger
  • 出版社/メーカー: Amer Bible Society
  • 発売日: 1990/06/01
  • メディア: ハードカバー

וְיִתֶּן־לִ֗י אֶת־מְעָרַ֤ת הַמַּכְפֵּלָה֙ אֲשֶׁר־לֹ֔ו אֲשֶׁ֖ר בִּקְצֵ֣ה שָׂדֵ֑הוּ בְּכֶ֨סֶף מָלֵ֜א יִתְּנֶ֥נָּה לִ֛י בְּתֹוכְכֶ֖ם לַאֲחֻזַּת־קָֽבֶר׃

dass er mir gebe seine Höhle in Machpela, die am Ende seines Ackers liegt; er gebe sie mir um Geld, soviel sie wert ist, zum Erbbegräbnis unter euch.

彼をして其野の極端(はし)に有(も)てるマクペラの洞穴(ほらあな)を我に與へしめよ彼其十分の値を取りて之を我に與へ汝等の中にて我が所有(もちもの)なる墓地(はかどころ)となさば善し

 アブラハムの妻サラが死に、彼はその墓所としてヘブロンにあるマクペラの洞穴を希望する。当時そこにはヘト人(ヒッタイト人)が住んでいた。
 「汝等の中にて」という部分を、岩波訳では「公に」と意訳する。ヘト人たちの中に墓所を持つということではなく、彼らを立会人として契約を結ぶという意味に取っているようだ。


 ルカ福音書1章43節から45節。

43 καὶ πόθεν μοι τοῦτο ἵνα ἔλθῃ ἡ μήτηρ τοῦ κυρίου μου πρὸς ἐμέ; 44 ἰδοὺ γὰρ ὡς ἐγένετο ἡ φωνὴ τοῦ ἀσπασμοῦ σου εἰς τὰ ὦτά μου, ἐσκίρτησεν ἐν ἀγαλλιάσει τὸ βρέφος ἐν τῇ κοιλίᾳ μου. 45 καὶ μακαρία ἡ πιστεύσασα ὅτι ἔσται τελείωσις τοῖς λελαλημένοις αὐτῇ παρὰ κυρίου.

43 Et unde hoc mihi, ut veniat mater Domini mei ad me ? 44 Ecce enim ut facta est vox salutationis tuae in auribus meis, exultavit in gaudio infans in utero meo. 45 Et beata, quae credidit, quoniam perficientur ea, quae dicta sunt ei a Domino ».

43 Und wie geschieht mir das, dass die Mutter meines Herrn zu mir kommt? 44 Denn siehe, als ich die Stimme deines Grußes hörte, hüpfte das Kind vor Freude in meinem Leibe. 45 Und selig bist du, die du geglaubt hast! Denn es wird vollendet werden, was dir gesagt ist von dem Herrn.

43 わが主の母われに來る、われ何によりてか之を得し。 44 視よ、なんぢの挨拶の聲、わが耳に入るや、我が兒、胎内にて喜びをどれり。 45 信ぜし者は幸福なるかな、主の語り給ふことは必ず成就すべければなり』

 マリアのエリザベト訪問の続きである。マリアの挨拶を聞いて、エリザベトの胎内の子(後の洗礼者ヨハネ)も喜び踊ったというのである。
 「信ぜし者」は女性形であり、ドイツ語訳のように「信じたあなた(マリア)」と取るのが普通であろう。45節後半はドイツ語訳も文語訳も理由の提示として捉えているが、信じたことの内容と解釈する方が多数派のようである。


 ラテン語とドイツ語は、今年も恐らく聖書の翻訳を読むだけになりそうだ。


 スタンダール赤と黒』。そろそろ大詰めにさしかかろうとしている。

Rouge Et Le Noir Stendhal (Folio (Gallimard))

Rouge Et Le Noir Stendhal (Folio (Gallimard))

  • 作者:Stendhal
  • 出版社/メーカー: Gallimard Education
  • 発売日: 2000/06/01
  • メディア: マスマーケット
赤と黒〈下〉 (岩波文庫 赤 526-4 9

赤と黒〈下〉 (岩波文庫 赤 526-4 9

A minuit, lorsqu’elle prit le bougeoir de sa mère, pour l’accompagner à sa chambre, madame de La Mole s’arrêta sur l’escalier pour faire un éloge complet de Julien. Mathilde acheva de prendre de l’humeur ; elle ne pouvait trouver la sommeil. Une idée la calma : ce que je méprise peut encore faire un homme de grand mérite aux yeux de la maréchale. (p.402)

夜中になって、母親といっしょに部屋まで行こうとして手燭をもったとき、ラ・モール夫人が階段のところに立止って、ジュリアンをすっかりほめちぎった。マチルドはとうとうかんしゃくを立ててしまった。どうしても眠れなかった。ふと一つの考えが浮かんだのでやっと気を静めることができた。(あたしの軽蔑しているような人でも、元帥夫人あたりにはとてもりっぱな男にみえるらしい)(p.289)

 マチルドは最後にジュリアンの首を拾った女性である。
 スタンダールは割と簡潔な文章を書く人である。


 モームサミング・アップ』。半分ちょっと読んだところ。

The Summing Up (Vintage Classics)

The Summing Up (Vintage Classics)

  • 作者:W. Somerset Maugham
  • 出版社/メーカー: Vintage Classics
  • 発売日: 2001/05/30
  • メディア: ペーパーバック
サミング・アップ (岩波文庫)

サミング・アップ (岩波文庫)

The historical novel calls surely for a profound experience of men to create living people out of those persons who with their different manners and different notions at first sight seem so alien to us; and to recreate the past needs not only a vast knowledge but an effort of imagination that is hardly to be expected in the young. (p.163)

歴史小説は、最初はまったく異邦人であるように思える、異なる考え方や風俗を持つ昔の人を素地にして生きた人物像を描くのだから、人間についての深い経験を要するのは確かだ。また過去の再現には膨大な知識のみならず、若い人には期待できないような想像力の活用が要る。(p.198)

 モームは二冊目の小説として歴史小説を書いた。人生経験のない若者は歴史に題材を取って想像力を羽ばたかせるべきであるという、ある評論家の意見を真に受けたためである。しかしながら、小説家が歴史小説に向かうのは晩年に近づいてからであるべきだと、気がつくのである。


 今年はまた文学の原典講読にも力を入れていきたい。
 時事的なものとフィクション的なもののどちらを優先するべきかは悩ましいところであるが、時事的なものはいずれ捨て去るときが来るような気がする。