本の覚書

本と語学のはなし

Newton 2022年11月号【宇宙のすべて】

 FOCUS
 科学ニュースをコンパクトに紹介するコーナー。その中に、AIによる物理法則発見の可能性を感じさせる記事があった。
 二重振り子の動画をAIに解析させたところ、通常それは4つの変数で記述されるところ、AIは4.7個の変数を用いて物理法則を構築し、それでもデータを正確に再現していた。
 AIの用いた変数の内、2個は既知の物理法則で説明できるが、残りは人間にはよく理解できないものであるという。

wikipedia:二重振り子


 宇宙の全て
 まだ稼働したばかりのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の画像も、既に多くの情報を与えてくれている。これからも最新の観測機器が続々と開発される。
 更に、光と素粒子に加えて、重力波によって宇宙を見ることも出来るようになりつつある。マルチメッセンジャー天文学が未来をひらくのである。
 一方、太陽系もまだまだ刺激に満ちている。今後もいろいろな探査計画が待っている。例えば木星の衛星エウロパ。氷に覆われた地表の下には液体の海があり、かつ潮汐加熱(木星の強い重力によって、エウロパが周期的に変形されて加熱される)による熱源もあると考えられている。NASAが2024年に打ち上げを予定しているエウロパ・クリッパーは、生命の痕跡を見つけるかも知れない。


 気候操作で温暖化は防げるか
 温暖化対策として誰もが知っているのは、温室効果ガスの排出を減らすことだ。また、植林などによる二酸化炭素の除去(CDR)もある。空気中の二酸化炭素を直接回収するという施設も既に出来ている。
 しかし、それでもだめならどうするか。太陽放射改変(SRM)ということも考えられている。例えば宇宙空間に日よけシールドを作る。地表面の反射率を増加させる。海上の雲を白くする。
 中でも一番現実的なのは、成層圏エアロゾルを注入することだそうだ。火山の大規模噴火で火山灰が成層圏にまで達したときのような状況を、人工的に作るのである。だが、副作用も大きいようだし、国際的な合意も不可欠である。


 科学技術をめぐる現代哲学の論点
 久し振りに仲正昌樹の名前を見た。
 AIとか遺伝子工学とか気候操作とか、あるいはそれらが組み合わされていったとき、果たして哲学に何が出来るだろうか。


 食虫植物の世界
 粘液で絡め取る、葉を閉じて挟み込む、壺に誘って落とし込む。
 妖しげな食虫植物の世界。


 毒をあやつる生存戦略
 ヤマカガシには2種類の毒がある。1つは自前の毒で、攻撃用。噛みついたときに、毒牙から獲物に注入される。もう1つはエサのヒキガエルから得たもので、防御用。天敵に襲われたときに、背中の毒腺から飛散させる。
 エメラルドゴキブリバチは、毒を用いてゴキブリをあやつる。脳に毒を注入されると、ゴキブリは自ら身繕いをする。誘導されるままにエメラルドゴキブリバチの巣穴に入り、卵を産み付けられる。そして孵化した幼虫に、新鮮な餌として自らを提供するのである。