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本と語学のはなし

土がよくなりおいしく育つ 不耕起栽培のすすめ/涌井義郎

土がよくなりおいしく育つ 不耕起栽培のすすめ

土がよくなりおいしく育つ 不耕起栽培のすすめ

  • 作者:涌井義郎
  • 発売日: 2014/12/26
  • メディア: 単行本
 耕さないための方法は幾つかあるだろう。コンテナ栽培をする、あるいは畝を木枠やレンガなどで囲い込んで畑をコンテナ化する、というのも悪くないかもしれない。
 しかし、この本で紹介されているのは、耕す必要のない土を作る方法である。耕すのは人間ではなくて、植物の根であり、土中に棲む小動物や微生物である。肥料は植物の栄養であるよりも、むしろ微生物の活動を促して土を作るために施されるものであり、土が良くなれば次第に施肥の必要も減少するのだという。植物と生物の多様性が実現できれば、害虫や病原菌の被害も減るのだという。
 地力を蓄えるのは一朝一夕に出来ることではない。多様な生物相が周囲に迷惑がられることもあるだろう。様子を見ながら少しずつ進めるのがよさそうだ。