本の覚書

本と語学のはなし

教会会議の歴史/N. P. タナー

教会会議の歴史―ニカイア会議から第2バチカン公会議まで

教会会議の歴史―ニカイア会議から第2バチカン公会議まで

 第一ニカイアから第二バチカンまでの教会会議を概説。

教会会議はまた、人間性が持っている能力に対する信頼を復活させてくれる。会議の参加者たちは、各時代の大問題と、それよりもさらに難しい、同時代の人々にキリストの秘義を提示するという難題に立ち向かったのである。彼らはこうした問題に勇気を持って、真正面から取り組み、多くの場合、答えとしてきわめてよく考え抜かれた声明を出したのである。参加者はまた、大体において合意を形成することができた。その結果、教会(後に西方教会、ついでローマ・カトリック教会)は、分裂することなく前進することができたのである。教会史上、最も重大な二つの分裂、すなわち一一世紀の東西の分裂と一六世紀の宗教改革に由来する分裂が、ともに教会会議の結果、起こったのではなく、会議が開かれなかった時に起こったということは、注目に値する。実際、教会会議がもっと早期に招集されていれば、分裂が回避できた可能性が十分あったかもしれないのである。教会会議は、人類が集団として達成した偉業の一つなのである。(p.162-163)


 私が購入したのは東京女子学館大学図書館の除籍本。もうこの大学は閉校したのですね。