本の覚書

本と語学のはなし

「事実」を見てから動くFXトレード/浜本学泰

 多数派について行く王道の順張りトレード。
 皆が動く方向に動くためには、皆が見ているものを見なくてはいけない。ということで、テクニカル指標として使うのは、短期の移動平均線(10MA)、ボリンジャーバンド(期間を20に設定して、中心の移動平均線を20MAとする。あとは±1σと±2σのバンド)、一目均衡表(雲のみ)、RSI、自分で書き入れる水平線とトレンドライン。かなりゴチャゴチャするので、必要なものだけ表示させた上で、線の色や太さなどは見やすいように変えた方が良さそうだ。
 1時間足でトレンドを確認し、5分足でエントリーのタイミングをはかる。
 ルールはシンプルかつオーソドックス。大多数が同じ方向に動くであろうというポイントを抽出したものであるから、突飛なことは書かれていない。
 ただし、ルールを破ってはいけないが、ルール通りにトレードしても恐らく7割の勝率にはならない。本書でも強調されているが、状況を見極めた上で、サインは出ているが執行を見送るという判断も必要である。
 損切りのルールも明確である。エントリーした根拠がなくなれば、ロストカットする。通常は3~4pips程度の損失で済むという。
 利食いは難しいが、積極的な利益確定と消極的な利益確定の二つの考え方が示されている。
 慎重に慎重に運用すれば、少なくとも負け越すことはなさそうに思われる。しかし、どの程度慎重であるべきか、その点は十分に語られてはいない。肝心なところは自分で探るしかないのかもしれない。


 メンタルについても多くのページが割かれている。
 投資は修行であり、投資を通じてある種の悟りに至ることが可能であると考えているようだ。