本の覚書

本と語学のはなし

『Daisy Miller』


Henry JamesDaisy Miller』(Penguin Classics)
 デイジー・ミラーはアメリカそのものを体現したような女性。ヨーロッパを旅する彼女を、ヨーロッパに長く住むウィンターボーンの視点から描く。果たして彼女の奔放な行動はイノセントなのかどうか。

 Winterbone offered no answer to this question ; but he presently said, ‘You were right in that remark that you made last summer. I was booked to make a mistake. I have lived too long in foreign parts.’ (p.64)

 ウィンターボーンはこの問いには答えなかった。しかし、しばらくして、こう言った。「伯母さまが昨年の夏におっしゃった通りでした。ぼくは過ちを犯す運命だったのです。外国生活が長すぎましたから」(p.126)


 アメリカ的なものとヨーロッパ的なもの(あるいはヨーロッパに住むアメリカ人がまとうヨーロッパ性といったようなもの)の対比と、その間での揺れは、ヘンリー・ミラーの中で幾度も姿を現すテーマとなるようだ。


 英語の本にも付箋を付けなくてはいけない。いろいろ引用したい部分はあったのだが、今からそれを探す気にはなれない。

Daisy Miller (Penguin Classics)

Daisy Miller (Penguin Classics)

  • 作者:James, Henry
  • 発売日: 2007/12/18
  • メディア: ペーパーバック
【参照した翻訳】