本の覚書

本と語学のはなし

「帚木」例の女以降

この人亡せて後、いかがはせむ、あはれながらも過ぎぬるはかひなくて、しばしばまかり馴るるにはすこしまばゆく、艶に好ましきことは目につかぬところあるに、うち頼むべくは見えず、かれがれにのみ見せはべるほどに、忍びて心かはせる人ぞありけらし。(「帚木」9)

例の女に亡くなられてはどうなるものでもなく、かわいそうとは思うものの、世を去ってしまったからには詮のないことなので、こちらの方に何度となく通いなじんでおりますと、少し派手すぎて、思わせぶりであだっぽいところなど、気にいらないところが見えて来てどうも頼りにできそうにも思えませんので、たまにしか顔を見せないでおりましたが、じつはこの女にはこっそりと情を交わしている男があったらしいのです。


 「例の女」というのは、左馬頭の指を噛んだ例の女*1のことである。左馬頭と喧嘩した後に死んでしまったのだ。
 講師業を続けていく意志が希薄になり、数学をやめてまた『源氏物語』を再開した。夏期講習以降のことは未定であるけど、個別指導を希望することも考えている。パート講師の大半は個別のみを担当しており、クラス授業を受け持つのは数人でしかない。最近になってパートの人たちが時給のやや高いクラス授業を避ける理由がようやく分かってきた。明らかに割に合わないのだ。週二日は完全にオフなのに、ほとんど余裕がない。
 学校の方の授業はたぶんあまり負担にはならないだろう。しかし、代表者が平気でむちゃな要求をしてくるので、ずっと振り回されっぱなしだ。来年度契約を更新することはないと思う。