本の覚書

本と語学のはなし

青春は美わし


 涼しくなったので、久しぶりにドイツ文学、ラテン文学、ギリシア文学を読んでみた。当面は日本古典文学を含めたローテーションを組む。
 古文は毎日少しずつでも読んでいれば、ほどなく国語教師を詐称できる程度の力はつくだろう。一方、独羅希は10年経ったって日に数行読んで満足するレベルを出ることはなさそうだ。古文達人への道を志すか、ホメロスウェルギリウスに触れる喜びにこだわり続けるか。今のところは古文にそれほど読みたい作品があるわけではないので(単なる無知である)、後者を選ぶ。しかし、古文に本格的にのめり込むようなことがあれば、それに専念するかもしれない。
 ところで、履歴書の趣味・特技の欄には一応独羅希のことも書いたりするのだが、これがかなり危険でしばしば反感を買うだけで終わる。何とかならないものだろうか。


 『青春は美わし』からの引用。特に意味はない。

  Ich hätte geradesogut morgen sagen können. Aber ich hatte den Kopf voller Gedanken an die Helene Kurz und war in dem Wahn befangen, es könnte morgen leicht etwas Glückliches geschehen, vielleicht daß sie am Abend wieder käme oder daß sie mich auf einmal gut leiden könnte. (p.40)

 私は、あしたとだって言えないことはなかったが、ヘレーネ・クルツのことで頭がいっぱいで、あすにも何か幸福なことがむぞうさに起きるかもしれない、ひょっとしたらあすの夕方彼女が来るかもしれない、あるいは彼女は急に私が好きになるかもしれない、というとっぴな考えにとらわれていた。(p.34)