本の覚書

本と語学のはなし

『サブプライム後に何が起きているのか』


●春山昇華『サブプライム後に何が起きているのか』(宝島社新書)
 『サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉』(宝島社新書)の続編。国富ファンド、証券化、再証券化モノライン格付け会社などの説明がありがたかった。
 第5章「世界金融維新」では、アメリカはすぐには死なないとしながらも、次の覇権国の候補として中国やイスラム圏を予想する。非常に分量の少ない章なので、十分な考察が展開されているわけではない。
 第6章「日本は昇るのか、沈むのか」もまた短いが、要はリスクを取りなさいと言っているようである。特に、日本が投資立国へと進むには、個人もまたリスク資産を持つべきことが説かれている。日本人は中途半端に豊かであるがために、危機意識もなく「このままでいい」としか考えないようであれば、ゆっくりとしたペースで徐々に貧しくなっていく。著者によれば、日本経済のピークは88年、国民所得の世界順位のピークは93年、労働人口のピークは96年、総人口のピークは04年。


 私は昔から漠然と日本に将来があるとは考えてなかった節がある。