本の覚書

本と語学のはなし

ショーシャンクの空に 名作映画完全セリフ集/Mark Hill 監修

 上級。塀の中での話なので。しかし、教養のある主人公アンディーの発話も、モゴモゴしていてなんだか聞き取りづらい。
 この映画のラストシーンを彷彿とさせる映像をよく見かける。ぜひ鑑賞しておくべき作品なのだろう。

動画

ショーシャンクの空に(字幕版)

ショーシャンクの空に(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

ネストレ=アーラント ギリシア語新約聖書(第28版)・序文/津村春英訳

 ネストレ=アーラントのギリシア新約聖書第28版に付けられた序文の翻訳。
 ネストレ=アーラントでは、小さな本の中に学術的な情報を最大限盛り込むため、実に多くの記号が用いられている。序文の多くは、その解説に充てられている。
 どのような異読があるのか、それを支持する写本はどれか、逆に本文の読みを支持するのはどの写本であるのか、並行箇所はどこにあり、引用は旧約のどの部分からなされているのか、それはあるいは七十人訳であるのか。ネストレ=アーラントをきちんと使いこなすことが出来るなら、そういうことが瞬時に理解できるのである。さらには、エウセビオスの対観表までも利用できるのだ。
 私は素人だから、ほとんど本文を読むだけで終わらせているのだけど、それだけではもったいない。ドイツ語や英語の序文を読むのは面倒くさいから、これからはこの翻訳を手元に置いておくことにする。

図解50の法則 口語英文法入門/小林敏彦

口語英文法入門 再改訂版

口語英文法入門 再改訂版

 口語英語の特徴を、縮小、拡張、変換の三つに分類し、それを更に細分化して整理する。
 縮小は、例えば have や had の省略など、規範的な文語文法より短くなるもの。”I never seen him before.” や “I better go.” など。
 拡張は、例えば have が have got に、have to が have got to になるなど、規範的な文語文法よりも長くなるもの。”She has got a funny face.” や “I’ve got to go back to the future?” など。
 変換は、例えば get の多用など、規範的な文語文法とは異なる表現に置き換えられるもの。口語における get は、”I got shocked.” のように be 動詞と同様の働きをしたり、”I’ll get Mary to come.” のように使役動詞の make と同様の働きをしたりする。


 映画のセリフを学べば自然と身につく知識ばかりであるが、無類の分類好きな著者のおかげで、だいぶ頭が整理される。
 ただ、口語を扱う割に記述がちょっと堅苦しい学術書的な要素は必要なかったのではないだろうか。