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本の覚書

本と語学のはなし

独立不定詞の用法【ヘブライ語】

Biblia Hebraica Stuttgartensia

Biblia Hebraica Stuttgartensia

 タイムの通読を始めてしまったせいで、なかなか語学の復活が果たせずにいる。大して書くべきことがなくても、外国語に触れた記録を残して少しモチベーションを高めることにしたい。


 ということで、今日はヘブライ語。創世記15章13節から。

וַיּאֹמֶר לְאַבְרָם יָדֹעַ תֵּדַע כִּי-גֵר יִהְיֶה זַרְעֲךָ בְּאֶרֶץ לאֹ לָהֶם
וַעֲבָדוּם וְעִנּוּ אֹתָם אַרְבַּע מֵאוֹת שָׁנָה

ヤハウェはアブラムに言った、「しかと知るがよい。あなたの子孫は異郷の地で寄留者となり、四百年間、〔奴隷として〕人々に仕え、人びとは彼らを抑圧しよう。」

 岩波訳。
 注釈は二つ付いていて、「ヤハウェ」は原文では「彼」であり(もっと正確に言うと、原文に人称代名詞はなく、それは動詞の形態から知りうるのである)、「四百年間」は出エジプト記12章40節では「四百三十年」である。


 さて、岩波訳で「しかと知るがよい」とか、新共同訳で「よく覚えておくがよい」とか、口語訳で「あなたはよく心にとめておきなさい」とか言われているところ(フランシスコ会訳では「次のことを確認せよ」)、原文では動詞が二つ重ねられている。
 前のは独立不定詞、後のは未完了形の二人称単数男性形(ヘブライ語の動詞には完了形と未完了形とがあるけれども、それらの名称は必ずしも時制を表しているわけではない)。これは確実性、強制、完全性を強調する用法である。日本語ではふつう「確かに、本当に、まことに」と訳される。


 ちなみに、不定詞と定動詞の語順が逆になると、まったく別の用法になる。この場合には、継続、反復を表すのである。

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