本の覚書

本と語学のはなし

キンドルと古書

... sese interea, quando optima Dido
nesciat et tantos rumpi non speret amores,
temptaturum aditus et, quae mollisima fandi
tempora, quis rebus dexter modus. (IV 291-294)

『しかしやさしいディードーは、何にも知らずひたすらに
かほどに深い愛情は、よもや破れることなしと、
思い込んでいるゆえに、自分はその間適当に、
彼女に近づく折つくり、やさしく話す時うかがい
われらが計画実行の、うまい手段(てだて)を考える――』。(上p.230)


 カルタゴのディードーから遁走するとなれば、もうアエネーアースになんの人間的な情もない。


 Kindle Paperwhite 3Gは既に注文してある。届くのは来月の上旬予定。現在の書籍の充実度を見れば、先ずは海外文学の古典を入手するために使うしかなさそうだが、それだけでも手に入れる価値はある。古典ならたいてい無料だし、全集で一気に全(主要)作品がほしい場合でも二三百円程度のものだ。
 まだモノは来てないが、書籍の購入はできる。ためしに『坊ちゃん』と『Die Verwandlung』(カフカ『変身』の原書)の二冊を入手。無料である。


 かといって、紙の本を全く読まなくなるわけでも買わなくなるわけでもないだろう。日本の古本屋で「鷗外全集」と「フローベール全集」を注文した。決して衝動的というわけではないが、ずいぶんと前倒ししてしまった感じ。そろそろ落ち着こう。

フローベール全集 全10 別1セット

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