本の覚書

本と語学のはなし

変身、国家、アエネーイス


 いつもの発作かもしれないが、前々から考えていてようやく行動に移したのだから、衝動的というほどではない。
 またドイツ語、ギリシア語、ラテン語で原典講読を再開した。カフカの『変身』、プラトンの『国家』、ウェルギリウスの『アエネーイス』である。
 これらの言語をマスターしようなどと大それた望みは持っていない。金融翻訳の勉強の支障にならない範囲で、細々と続けていけばよい。しかし、たとえ一時的に中断することはあっても、完全に放棄するべきではない。
 英語とフランス語だけでなく、これらの言語で書かれた文章を鑑賞することが、私の感性をも、私の矜持をも、どうやら養い育てるようなのだ。