本の覚書

本と語学のはなし

モンテーニュ全集2 モンテーニュ随想録2/関根秀雄訳

 最近は職場で読んでいる。第1巻第24章から第42章まで。
 ラ・ボエシとの友情を回想し、新世界の未開人を賞賛し、社会にある人間の不平等を嘆く。とりとめなく雑感を書き綴ったように見えるエッセーも、同じ思想に貫かれている。
 若くして世を去ったラ・ボエシの『意志の隷従』を、モンテーニュは『随想録』の中に埋め込むつもりであったが、政治的な利用を恐れて断念した。後にフランス革命の革命家たちに愛読されたというほどの先進性を秘めた書物だったのである。この全集では第9巻の付録に、『奴隷根性について』というタイトルで収めている。モンテーニュ理解のためには必読であろうという配慮である。*1
 モンテーニュは中庸の人であって、急進的なところは全くないかのように思われているかもしれないが、思想的には時代の制約の遙か先に行っていたようである。


 キケロはよく引用されている。しかし、彫琢された文章に有意義な思想を認めることはなかった。
 モンテーニュ自身の文体の自己分析。

わたしは生来砕けた文体を持っているが、それは全くの自己流で、公文書などにはむかないのである。わたしの言葉はどんな場合にも、あまりにせっかちで、乱雑で、とぎれとぎれで、風変わりだから。(1.40 キケロに関する考察)


 関根秀雄の解説には、しばしば東洋思想との比較が出てくる。荘子の言葉が引かれることもある。その度漢文を再開したくなる。今は中断しているのだ。


 過去記事の商品紹介の画像や埋め込み記事が表示されていないことに気がついたので、数日その修正に追われていた。
 編集画面から更新をかければ直るのだが、意外と時間がかかった理由は二つ。
 Asin 記法で :image を用いていた場合、画像が大きくなりすぎる。理由は知らないが :small やピクセル数の指定を入れてもだめなので、ほぼ全てを :detail に書き換えた。
 はてなダイアリーでは1日1枚写真を直接アップすることが出来た。はてなブログに移行する際、文章と写真は別の記事とされた。写真のみの記事が大量に生産されてしまったわけだが、仕方ないのでそのまま放置していた。その写真も表示されなくなったことに気がついたので、一々削除することに意を決したのである。
 たぶんはてなダイアリーが完全に終了したことに伴う不具合なのだろう。以前は商品紹介のところには、同じ商品を紹介したブログの数が表示されており、それらのブログを参照することも出来た。更新した後ではその表示もなくなった。
 お知らせが来ていたのかもしれないし、もっと簡単な解決方法があったのかもしれない。しかし、過去の記事を振り返るいい機会になった。

*1:ちくま学芸文庫からは『自発的隷従論』というタイトルで出版されている。