本の覚書

本と語学のはなし

聖書外典偽典 別巻 補遺Ⅰ/日本聖書学研究所編

 「第三マカベア書」、「エレミヤ余録」、「預言者の生涯」、「ギリシア語バルク黙示録」、「モーセの遺訓、モーセの昇天ギリシア語断片」、「アダムとエバの生涯、モーセの黙示録」、「ヨセフとアセナテ」、「アブラハムの遺訓」、「ヨブの遺訓」を収録。


 これで聖書外典偽典を一通り読み終えた。
 聖書の背景を知るには読んでおいた方がいいには違いないけれど、一般的に言って、やはり正典に選ばれたものはそれだけの理由があるのであって、外典や偽典はそんなに面白いと言うほどのものではない。

TIME February 13, 2017

Time Asia [US] February 13 2017 (単号)

Time Asia [US] February 13 2017 (単号)

  • 発売日: 2017/02/04
  • メディア: 雑誌
 定期購読を更新した。26イシュー分が無料になるということで、お得はお得なのだけど(均すと1イシューあたり約233円)、2年先までの継続が早くも決定してしまった。
 コツコツ続けていれば、やがて100パーセント近く理解できるようになるのかもしれない、と思って頑張るしかない。何に使うわけでもない、無駄な英語力ではあるけど。


 表紙の写真は、トランプ政権ナンバー2と言われるバノン。彼には特殊な増幅的循環史論のようなものがあるらしい。

And yet, he [historian Davit Kaiser] told Time, he was taken aback when Bannon began to argue that the current phase of history foreshadowed a massive new war. “I remember him saying, ‘Well, look, you have the American revolution, and then you have the Civil War, which was bigger than the revolution. And you have the Second World War, which was bigger than the Civil War,’” Kaiser said. “He even wanted me to say that on camera, and I was not willing.”

 アメリカは歴史の必然として、一定期間を経て大きな戦争を経験する。その戦争は、繰り返されるたびに、規模を拡大してゆく。そして今は、第二次世界大戦後の一定期間を経て、これより甚大な闘争の起こるべき時期に達しているのではないかというのである。
 甚だ危険な思想である。


 これと対照的なのは、ミハイル・ゴルバチョフの寄稿である。近影にはもう精悍な感じはないけれど、もちろんあのゴルビーだ。
 彼の認識もまた “It all looks as if the world is preparing for war.” であるには違いない。しかし、彼は国連安全保障理事会の理事国が動かねばならないし、そのイニシアティブを取るべきは、世界の核兵器の90パーセントを保有するアメリカとロシアの大統領、トランプとプーチンである、と強く主張する。

President Franklin D. Roosevelt once said one of the main freedom is freedom from fear. Today the burden of fear and stress of bearing it is felt by millions of people, and the main reason for it is militarism, armed conflicts, the arms race and the nuclear sword of Damocles. Ridding the world of this fear means making people freer. This should become a common goal. Many other problems would then be easier to resolve. The time to decide and act is now.

 「ダモクレスの剣」とは、頭上に髪の毛一筋で吊るされた剣のことである。たとえその下に座る者が栄華を極める王であっても、いつ何時髪の毛が切れ、剣が落下するとも知れない。

Momo を始めてみる【ドイツ語】

Momo

Momo

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

 タイセンの『新約聖書』はもうすぐ終わるのだけど、あまり読む気になれない。気が向くまで少し寝かしておくことにした。
 そこで、ミヒャエル・エンデの『モモ』である。以前途中まで読んで、タイセンのために投げ出したのだった。大分時間が経つので、初めからもう一度。たぶんそれほど難しくはないと思う。
 冒頭の文章を日本語訳とともに。

In alten, alten Zeiten, als die Menschen noch in ganz anderen Sprachen redeten, gab es in den warmen Ländern schon große und prächtige Städte. Da erhoben sich die Paläste der Könige und Kaiser, da gab es breite Straßen, enge Gassen und winkelige Gässchen, da standen herrliche Tempel mit goldenen und marmornen Götterstatuen, da gab es bunte Märkte, wo Waren aus aller Herren Länder feilgeboten wurden, und weite schöne Plätze, wo die Leute sich versammelten, um Neuigkeiten zu besprechen und Reden zu halten oder anzuhören. Und vor allem gab es dort große Theater. (p.7)

 むかし、むかし、人間がまだいまとはまるっきりちがうことばで話していたころにも、あたたかな国々にはもうすでに、りっぱな大都市がありました。そこには王さまや皇帝の宮殿がそびえたち、ひろびろとした大通りや、せまい裏通りや、ごちゃごちゃした路地があり、黄金(こがね)や大理石の神々の像のある壮麗な寺院がたち、世界中の品ものがあきなわれるにぎやかな市がひらかれ、人びとがあつまってはおしゃべりをし、演説をぶち、話に耳をかたむける、うつくしい広場がありました。とりわけ大きな劇場もそういうところにはあったものです。(p.11)

 子供向けの翻訳はどうするべきか、という観点からも楽しめそうだ。
 ただし、私の近代語の優先順位としては、ドイツ語は英語とフランス語の下に来るので(独文出身なのに!)、いずれリストラされる可能性も無きにしもあらずである。