本の覚書

本と語学のはなし

聖人たちの生涯 現代的聖者175名/池田敏雄

 学生時代、カトリックに入信したころに買ったもの。一度も読んだことはなかった。
 当時は、カトリックが長い歴史の中で抱え込んだ、時に横道に逸れるように見える煩雑さを、ちょっと面倒臭がっていた。その最たるものが聖人崇敬であった。
 大人になったせいだろうか、そういうことがあまり気にならなくなった。


 今日の学問的な批判には耐えられない記述もあるし、多分に美化されているだろうと思われるところもあるが、カトリックの理想とする信仰のあり方――現代的な価値観とは必ずしも一致しない――が、全編を通じて伝わってきて、なかなか面白かった。

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