本の覚書

本と語学のはなし

求道者伝道テキスト/鈴木崇巨

求道者伝道テキスト

求道者伝道テキスト

 苦手なタイプのキリスト教でした。聖書に書いてあることはその通り全部信じましょうという。パウロの書簡は全部パウロの書いたもので、ヨハネの黙示録使徒ヨハネが書いたものだということを、疑ってはいけませんという。旧約は新約の光を当てて強引に読み込まなくてはいけませんという。キリスト教以外は全部邪教とみなして構いませんという。
 もっとも、正統的なキリスト教とはそういうものでしょうから、私はキリスト教が苦手だと言うべきなのでしょう。昔私がカトリックに入ったのは、もしかしたらそれが邪教であったからかもしれません。


 クリスチャンが仏式の葬式に出る場合はどうしたらいいのでしょう。
 焼香の際に、決して香を焚いてはいけません。そして、心の中でまずこう言ってください。「主よ、私がこの場にいるのをあなたが許して下さることを信じます」。死者の冥福などは二の次です。あなたが仏式の葬式に出席することは不可抗力であり、決して神を蔑にするものではないことを、第一に確認しておくのです。そうしなければあなたは救われません。
 そうして安心したら、心の中で続けます。「亡くなった方をあなたの御手におゆだねします。アーメン」。罪深いこの死者は神を知ることなく、罪にまみれて死んでいきました。おそらくは天国には行けないでしょうが、万が一主の恩寵によってこの罪人の罪が許されるのでしたら、それを願わないわけでもありません。いえいえ、私は私の信仰を業績として天国への入場券を優先的に与えられるなどと思ってるわけでは毛頭ないのですが…。あなたは決してそんな気持ちを主に悟られてはなりません。
 これで、あなたも立派なクリスチャンとして日本で生きていくことができるでしょう。