エゼキエル書は三部に分かたれる。
第一部(1-24章)はユダとエルサレムに対する預言集。すなわち、その堕落がバビロニアによる捕囚を招いたとする。
第二部(25-32章、35章)は諸国民に対する審判預言集。主としてツロとエジプトに対する審判預言であるが、いずれもユダにおける反バビロニア的熱狂主義者たちがそこに希望を見出していたことが、ツロとエジプトの驕りを批判する背景にはあったらしい。一方で、エゼキエルには、バビロニアに対する審判預言は見当たらない。
第三部(33-34章、36-48章)はイスラエルの救済預言集。最後は、しかし、ヤハウェの聖なる名のために、イスラエルの民は神によって回復される。そして、新たな神殿の幻が長々と詳細に描写されて終わるのだが、この部分は読むのがちょっと辛い。
三大預言書を読み終えた。イザヤ書、エレミヤ書、エゼキエル書である。キリスト教の旧約聖書では、エレミヤ書とエゼキエル書の間に哀歌が挟まり、エゼキエル書と十二小預言書(ホセア書からマラキ書まで)の間にダニエル書が挟まるが、現行のヘブライ語聖書では哀歌もダニエル書も最後の諸書の内に収められる。岩波の聖書はヘブライ語聖書の分類に従っているので、次に読む旧約文書は十二小預言書になる。