- 作者:円山夢久
- 発売日: 2012/05/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
確かにこれを読めば、物語の構想はなんとか作れるだろう。問題は構想ができたからといって容易に書けるものではないということ。作品によっては入念な取材や下調べが必要なこともある。ウリにすべきところを書ききるだけの筆力のことまでは、なにも指南されていない。一番大事なのは文体かもしれないのだが、そのことにも全く触れられない。
だが、小説についてはもうこれでいいかな、という気がしてきた。なんとなく書き方は分かった。そして、実際にはよほど苦労しないと書けないことも分かった。苦労して書いても、面白い作品にはならないだろうということも分かった。
もう年を喰ったおっさんであるし、これまで文章術の特別な訓練をしてきたわけでないし、今から始めるなら二兎も三兎も追ってはならない。詩の方に集中してみる。
そこで、今後の方針を立ててみた。
【自由詩】
これは書けるかどうかわからない。とりあえずは、読んでみること。触発されて書けそうな気がしたら、書いてみる。そうでなくとも、詩藻の涵養のために読み続ける。
【短歌】
これまで通り、短歌の目に参加する。ただし、手抜き、拙速は厳禁。じっくり時間をかけて推敲する(恥ずかしくて彫琢とは言えないが)。
短歌の目以外でも歌を作ってみる。できれば何かに投稿するのがいいのかもしれない。たとえば「短歌」誌とか、題詠blog2015とか。後者はトラックバック機能のあるブログを開設しないと参加できないというのが面倒くさいが。
短歌の歴史を学ぶ。私はまだ自分の方向性がよく分かってはいないが、たぶんちょっと古風な歌が作りたいのだと思う。ほとんど作品を読んだこともないのに、紀野恵が気になっているのも、そういうことなのだろう(それにしても、歌集は手に入らない!)。
そは晩夏新古今集の開かれてゐてさかしまに恋ひ初めにけり
紀野恵『さやと戦げる玉の緒の』