本の覚書

本と語学のはなし

ユダヤ古代誌3/フラウィウス・ヨセフス

 ソロモンの即位からアレクサンドロス大王の死まで。これでようやく旧約時代篇が終わり、次から新約時代篇が始まる。
 もちろん、旧約とか新約とかいう分類はキリスト教側からのものであって、ヨセフスの意図には何の関係もない。また、新約時代篇と言っても、イエスやヨセフスの時代まではまだ間があるし、4巻の最初で扱われるマカバイ戦争は、聖書では旧約外典(新共同訳でいう旧約続編)で扱われるものである。

 しかし、ここまでは旧約聖書の歴史を要約したものであったから、どういう取捨選択があり、付加と強調があり、合理的解釈があるのかといった興味の対象とはなるものの、何か新しいことを知るということはなかった。
 次からがいよいよ本番である。