本の覚書

本と語学のはなし

Who is Jesus ? を始める

 『赤毛のアン』にする予定だったが、どうも小説を読む気分ではない。クロッサンの『イエスとは誰か』を始めてみた。
 翻訳は出ているが持っていない。どうしよう。キリスト教の英語なんて今まで読んだことがない。しかし、専門書ではなくて一般向けの入門書である。しかも、一般人の手紙に答えつつ、史的イエスについて論じるという体裁だ。表紙にも the most readable introduction だと書いてあるではないか。ここはひとつ、可能なところまで独力で進めてみることにしよう。
 私の貧弱な英語力では、直ぐに迷子になってしまうだろうけど。

 アメリカでも史的イエスなどというのは論争の種になりやすいもののようだ。ある大学町で著者が講演を行った時、新聞にはイエス物語の否定と書かれた。それから6週間、投書欄は大いににぎわった。クリスチャンと名乗るなんて信じられないレベルだという批判から、20世紀の文脈の中で福音書の豊かさと美しさをフルに評価するものだという賛辞まで。果たして史的イエスは信仰の脅威なのか、現代の我々に信仰の可能性を提示するものなのか。
 ちなみに、その講演において彼が意図したのは、イエス物語を否定しようということではなく、むしろ理解しようとすることであったという。それでも史的イエスなどといえば、誤解を受けやすく、あるいは意図的に誤解されるのである。

翻訳

 ジョン・ドミニク・クロッサン『イエスとは誰か 史的イエスに関する疑問に答える』(新教出版社)。