本の覚書

本と語学のはなし

買い物


 休みを利用して、細々したものをいろいろ買い込む。久しぶりに本屋にも行った。司馬遼太郎吉川英治歴史小説のほか、気になっているもののこれまで読まずにいた藤村の『夜明け前』、谷崎の『細雪』、三島の『豊饒の海』などをぱらぱらめくってみる。今は大江の『万延元年のフットボール』を読んでいて、次は中上の『枯木灘』を予定している。日本文学のコアな部分に近づこうとしているのか、鴎外や漱石や賢治らを適当に読んでお茶を濁しておくのか、まだきっぱりと決めてはいない。ただ、確かに日本語に飢えを感じている。
夜明け前 (第1部 上) (新潮文庫) 細雪 (上) (新潮文庫) 春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫) 万延元年のフットボール (講談社文芸文庫) 枯木灘 (河出文庫 102A)


 漱石の『坊っちゃん』を買った。ちくま文庫の全集を持っているのだけど、これは単独で読みたいこともあるだろう。東京を去る時、ぼろぼろ涙を汚らしく零しながら読んだ本である。
坊っちゃん (岩波文庫)


 文語訳聖書の小型版は衝動買いだ。日本聖書協会のホームページでも、アマゾンでも、品切れになっている。古本屋から新品同然の未読本を入手することはできるが、定価より大分高い。それが本屋に売っていたのだから、堪えようがなかった。
舊新約聖書―文語訳


 本当は新改訳の文庫版を見てみたかったのだ。新約聖書なら新共同訳の文庫版もある。近ごろ文春新書から佐藤優の解説付きのものも出た。共同訳では講談社学術文庫がある(分厚くて持ち運びには向かないが)。岩波文庫には個人訳が一部ある。ところが、旧約聖書となると岩波文庫に幾編か収められているだけで、文庫もしくは新書という形では読むことができないのである。新改訳の試みは、文字の大きさ、紙の質さえよければ、すばらしくありがたい。それを確かめてみたかったのだ。けれど売っていなかった。一般の書店では扱わないのだろうか。代わりにフランシスコ会訳を検分してみた。買う価値はありそうだが、どうせこんなに重いものは開くのも億劫になるだろうから買わない。
新改訳文庫聖書 小型新約聖書 新共同訳 新約聖書 1 (文春新書 774) 新約聖書 共同訳全注 (講談社学術文庫 (318)) 新約聖書 福音書 (岩波文庫) 旧約聖書 創世記 (岩波文庫) 聖書―原文校訂による口語訳


 ちなみに、著作権の切れている訳ならデータが無料で手に入るから、文語訳なんかスマートフォンでも読めてしまうのだが、残念ながら私は普通の携帯しか持っていないし、それすら近々解約してしまおうと企図しているところである。


 家に帰って梶井基次郎の『檸檬』を読んだ。ちくま文庫の全集(全一巻)を通読するのは面倒なので、十ページに満たないこの小品を読んでおしまい。時々こんなふうに拾い読みをするだけだろう。

梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)

梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)

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