本の覚書

本と語学のはなし

「エチカ」→「告白」


 例の会社の事務職は、書類選考で不採用に決まった。私と同時に応募していた人はいない。応募資格を満たしていないわけでもない。履歴の見映えが悪いにせよ、会社にとってプラスになる能力も持っているはずだ。しかし、面接にすら至らなかった。この会社の器量と将来性に疑念を抱きつつも、現在の私に対する一般的な評価はこんなものだろうと思う。
 さて、塾はどうするか。通えないものは通えないんじゃないだろうか。それとも諦めて、この業界に留まる決意を固めるか。


 頭の働きが鈍いときにはスピノザは読めない、ということが早くも判明した。しかも、近ごろは頭が順調に回転してくれることなんてほとんどない、ということをようやく今日になって思い出した。
 そこで、スピノザとともに候補に挙げていたアウグスティヌスに切り替えてみる。『告白』は以前も第1巻第5章まで原文で読んだ。ラテン語としてはやさしくて(ラテン語は技巧を凝らさない限り、他の言語よりずっと読みやすいと思う)、反復がとても印象的な文体だった。これならどんなコンディションでも読めそうだ。
 冒頭部分を書き抜く。参照するのは岩波文庫の服部栄次郎訳。聖書からの引用が多いが、それは一々記さない。

Magnus es, domine, et laudabilis valde : magna virtus tua, et sapientiae tuae non est numerus. et laudare te vult homo, aliqua portio creaturae tuae, et homo circumferens mortalitatem suam, circumferens testimonium peccati sui et testimonium, quia superbis resistis : et tamen laudare vult homo, aliqua portio creaturae tuae. (1.1)

 「主よ、あなたは偉大であって、大いにほめられるべきである」。「あなたの力は偉大であって、あなたの知恵は測られない」。しかも人間は、あなたの取るに足らぬ被造物でありながら、あなたをたたえようと欲する。すなわち、人間はおのれの死の定めを身に負い、おのれの罪のしるしと「あなたが高ぶるものに逆らわれる」証拠をみにまとっている。しかも人間は、あなたの取るに足らぬ被造物でありながら、あなたをたたえようと欲する。(1.1)


 ちなみに、私の洗礼名はアウグスティヌスであった。


Confessions, Volume I: Books 1-8 (Loeb Classical Library) Augustine Confessions, Volume II: Books 9-13 (Loeb Classical Library) 告白 上 (岩波文庫 青 805-1) 告白 (下) (岩波文庫)

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