本の覚書

本と語学のはなし

大学卒業以降の本の覚書(3)


 市役所を退職してからは、しばらく経済や金融の本を読み続けた。文学に完全移行したのは、昨年4月に池澤夏樹の『世界文学をよみほどく』*1を読んで以降である。真の出会いはむしろこれからやってくるのかもしれない。


メルヴィル『白鯨』
 学生時代に映画を見た。古臭い海洋冒険ものとしか思っていなかったが、池澤夏樹に薦められて読んでみたら、これが無類に面白い。メルヴィルのファンになってしまった。
白鯨 上 (岩波文庫) 白鯨 中 (岩波文庫) 白鯨 下 (岩波文庫 赤 308-3)


■マン『魔の山
 これも映画では見ていた。サナトリウムのようなところで隔離されて生きていきたいと願う私には、初めから面白いだろうことは分かっていた。久しぶりに長編に全身全霊がどっぷりつかる感覚を味わう。
魔の山 (上巻) (新潮文庫) 魔の山 下 (新潮文庫 マ 1-3)


ジャン・ジュネ『花のノートルダム
 比喩の花が咲く。取りすがるべきものを必死に見出そうとするかのように。
花のノートルダム (光文社古典新訳文庫)


■ウルフ『ダロウェイ夫人』
 原文で読んで正解。描出話法が多用される文体は、同時にとても詩的で、翻訳で味わうことは難しい。
ダロウェイ夫人 (集英社文庫) Mrs Dalloway (Penguin Popular Classics)


清少納言枕草子
 定子との関係を視野に入れると、「春はあけぼの」とはまた別の清少納言が見えてくる。
新編日本古典文学全集 (18) 枕草子


ホメロスイーリアス
ウェルギリウスアエネーイス
 ギリシア語とラテン語では、気が向いた時にこれらの叙事詩を読んでいきたい。
イリアス〈上〉 (岩波文庫) イリアス〈下〉 (岩波文庫) Iliad, Volume I: Books 1-12 (Loeb Classical Library) Iliad, Volume II: Books 13-24 (Loeb Classical Library)
アエネーイス (上) (岩波文庫) アエネーイス (下) (岩波文庫) Eclogues. Georgics. Aeneid: Books 1-6 (Loeb Classical Library) Aeneid: Books 7-12. Appendix Vergiliana (Loeb Classical Library)


 以上で過去の本の覚書は終了。これからの本の覚書の方が豊かになることを願いつつ。

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